ボランティア雑記帳

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zoom RSS 初めて受け入れられた瞬間

<<   作成日時 : 2009/11/13 20:02   >>

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久しぶりに昔話です。
知的障害のある人の施設に通っていたときの話です。
重い障害のある人に、初めて受け入れられた瞬間がありました。
そのときのことを書きます。

私は会社の制度を利用して休職し、ボランティアばかりする2年間を過ごしました。
休職する以前も、ボランティアの経験はありました。
しかし単発の活動がほとんどで、障害のある人との深いふれあいは、あまり経験がありませんでした。
そこで、休職中の活動内容を決めるとき、最初は障害のある人と過ごす時間を十分とることを優先しました。
まずは自宅近くの知的障害のある人の施設に、ほぼ毎日通うことにしました。

その施設では、いくつかのグループに分かれて活動していました。
私は最初、最も障害の重い利用者さんのグループに参加しました。
車椅子の利用者が多く、食事やトイレの介助が必要な方がほとんどです。
言葉によるコミュニケーションは、ほとんどできません。

私はしばらくの間、どのように彼らと触れ合えばよいのかわからないまま、過ごしました。
手を繋いで散歩に行き、一緒に簡単な作業をし、隣でお茶を飲みました。
これでいいのか、いけないのかもわからず。
職員さんは「一緒にいていただければいいんじゃないですか」と、優しく見守ってくださいました。

<よく散歩に行った公園に咲いていた花>
画像


そのグループは、数人からなっていました。
日によって、ふれあう利用者さんは違いました。
私は一人ひとりと、「とにかく同じ時間を過ごすしかない」と思って、施設に通いました。

「Sさん」は、そのグループの中でも「同じ時間を過ごす」ことが比較的多い人でした。
彼は散歩のとき手を引く必要があるため、私が一緒に歩くことが多くなっていました。
そして食事のときも、職員さんに教わったやり方で、簡単な介助をほぼ毎日していました。

Sさんはときどき、独特の声をあげます。
言葉にはなりませんが、心から湧き出てくるような声です。
具体的に何かを表現しているわけではないかもしれません。
でも、聞いている私も何か答えたくなるような声です。

Sさんが声をあげたとき、最初は見守るだけでした。
でも、そのうち彼に答えたくなってきました。
そこで、私はSさんと同じような声を出したり、身体を軽くたたいたりして、「答え」てみました。
散歩から帰ってきたあとの休憩時間など、しばらくそのやりとりをするようになりました。

2週間くらい経った日でしょうか。
そんなやりとりをしていたとき、Sさんは私の顔をじ〜っと見つめました。
斜め下から見上げるようにして。
そして、私に向かって声をあげました。

普段は誰に向かってということなく、独り言のように空中に向かって声をあげていたSさん。
この日は、私を見て私に向かって声をあげていました。
それを見た職員さんが微笑みながら言いました。
「あ、SさんがGAMIさんを受け入れようとしてる」

私は「え?そうなの?」ととまどいながら、とても嬉しくなりました。
確かにそれまでの様子とは違いました。
彼にしてみれば、「なんだか最近よくそばにいるヤツだな」という程度の反応だったのかもしれません。
でも、とにかく「私を意識してくれた」ということだと思います。

私はこのときの職員さんの言葉を、今でもはっきり覚えています。
この職員さんは、私のことを少し心配しながらも、毎日温かく見守ってくれていました。
そして、この日の様子を見てSさんの変化に気づき、先ほどの言葉をかけてくださいました。
職員さんも嬉しそうでした。

前述の通り、私は既に何度かボランティアの経験はありました。
障害の重い方の介助も少しだけしたことがありました。
でも、いつも単発で1日限りのおつきあいでした。

ですから、この日の経験は私にとって初めてのことでした。
毎日ゆっくり何度もたっぷりと、同じ時間を過ごした結果。
「初めて受け入れられた瞬間」でした。
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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
「毎日ゆっくり何度もたっぷりと、同じ時間を過ごした結果」
 深く、意味のあることですねー。
 シンプルなこたえですが、誰にでもできることでもないし、必ずしも結果につながることでもありません。とても感慨深いです。
 受け入れる(られる)、認める(られる)ということはボランティアの真骨頂だと思っています。何よりもGAMIさんが受け入れ、認めたからこそ相手にも認められたのじゃないかなー。
INA
2009/11/18 00:26
INAさん、こんばんは。
「必ずしも結果につながることでもありません」…そうですね。このときの私はたまたま結果がでたんでしょうね。
「受け入れ、認めたからこそ」…そうですね。お互いに認め合わないと、成立しないことですね。この記事のタイトルは「初めて認め合えた瞬間」の方がよかったかもしれません。

INAさんのコメントには、本当にいつも新しい気づきがあります。ありがとうございます。
GAMI
2009/11/18 23:03
 いやー、私はいつもじゃんけんで後出しをしているようなものですから・・。興味をかき立て、考えさせてくれるGAMIさんの記事が素晴らしいのです。
INA
2009/11/19 23:47
INAさん、エールの交換をありがとうございます。
今後ともよろしくです。
GAMI
2009/11/20 21:22

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