ダイバーシティの研修でわかったこと

昨年のことですが、ダイバーシティ(多様性理解)の研修に参加しました。
「人の多様性の重要性を理解しよう」というものです。
なかなかよいプログラムで、気づきもたくさんありました。
そして、最後にわかったこと。
それは、「ここではまだ圧倒的に多様性が足りない」ということでした。

私はダイバーシティについて専門的な知識があるわけではありません。
障害のある人の関係のボランティアを初めて、その後いろいろ考えた結果、「ダイバーシティ、人の多様性を認めることが大切なんだ」とだんだんわかってきた、という状態です。
ですからまだ勉強中で、今回の研修にも手を挙げて参加しました。

さてこの研修ですが、講義よりもグループワークや実習を重視したもので、いくつか興味深い体験をしました。
一つ目は全員参加の実習で、いくつかの質問に対する選択肢が用意されています。
参加者全員が、同時に自分の回答を札で示します。
「自分はこう思う」と思って札を上げると、参加者の回答はそれぞれ。
「この質問にこの選択肢はないだろう」と思っていると、意外にもその回答をする人が数人いたりして。
その人の「どうしてそう思うか」という理由を聴いてみると、「なるほどなぁ、そう言われるとそんな気もする」と感じたりします。

この実習で…、
 ・なるほど、いろんな感じ方・考え方があるんだな。
 ・そして、そう考えるにはそれなりの理由があるんだな。
 ・自分の感じ方だけが正しいと思っちゃいけないんだな。
というようなことを、体感できました。
頭でわかっていたつもりのことを実感できた、という感じです。

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二つ目はグループワークで、あるテーマについてアイディアを出し合う実習をしました。
グループの構成員は、ほとんどの人が初対面です。
メンバーが、それぞれの思いでアイディアを出します。
自分にはない発想の意見がどんどん出て、グループとしての成果物は自分一人では創れなかったものになります。
この実習を通じて、参加者は「多様性の効果」を体感します。

しかし、私は次のコーナーで愕然としました。
グループの成果物を壁に張り出して、他のグループの検討結果を見て回るコーナーです。
そこで私が見たものは…、「全部同じ」でした。
全てのグループの発表資料は、細部に違いはあるものの、とても似通っていました。
書いてあるアイディアは、自分のグループで出たものばかり。
約10グループあって、自分のグループになかったアイティアは2~3個くらいしかありませんでした。
グループディスカッションでは、「おお、それ凄い、面白いなあ」とビックリしたような項目も、他のほとんどのグループの資料にも見つかりました。

私は、結構ショックを受けました。
「なんだ、みんなおんなじこと考えてたのか」
よく考えたら、参加者は初対面の人がほとんどでしたが、一定の属性で共通していました。
日本人で、20~50歳代で、企業に勤務している。
いつもの職場の仲間よりは多様ですが、実はほんのチョット多様性が広がっただけ。
これで多様性を体感する研修は、なかなか難しいです。
ここに、90歳代の人や小学生、音楽家や大学教授、インド人やユダヤ人などがいたら、そして各グループの構成員がそれぞれ個性があったら、結果はもっと興味深いものになったでしょう。

私は最後のこの体験で、最初はビックリして、次にガッカリして、そしてヤッパリと思いました。
今の日本の社会、中でも企業に努める勤労者には、多様性が全く足りません。
ちょっと違う部署の人や他の会社の人と話をすると、「新鮮だった」「刺激になった」と言います。
いえいえ、世の中にはもっと多様な人がたくさんいるのです。
東京のオフィス街は、似たような人たちばかり歩いています。
日本にももっと様々な人がいるし、世界にはもっともっと…。

ここではまだ圧倒的に多様性が足りない。
私も、もっといろんな人のことを知らなければ。
そして、自分の個性も含めて多様性を大切にしなければ。
そんなことを、改めて感じた一日でした。

<関連記事>
 似た内容を、別の切り口から書いた過去記事です。
 よろしかったら、あわせてご参照ください。

 ◆大手町は異様な風景
 ◆大人の啓発
 ◆夢(7)多様性と少数派の尊重

この記事へのコメント

2012年01月16日 00:14
GAMIさんこんばんわ。
ブログ拝読いたしました。
“日本人で、20~50歳代で、企業に勤務している。”方々の中での研修ということもあって、最終的には意見が似通ってしまったようですね。
福祉の現場での研修でも同じことが言えると思います。
また、その意味では、他の施設の方と意見を出し合うという範囲での多様性を広げることができているとも言えます。
ただ、私自身はそこまで考えたことがなかったように思います。
よって、このブログを読んだことで多様性が広がったということになるのでしょうか
ところで、多様性に対する考え方についてだけでなく、このブログで私が感じたことは、
そうは言いながらもGAMIさんが
『他の方の意見を全く否定していない』
『それらの意見を踏まえて自身がどう考えるのかと発展させている』
ということです。
仮に多様性にあふれている現場であっても、こうでなければその多様性を感じることはできないのではないかと思います。
私も、もっと多くのことを知り、感じていきたいと思います

2012年01月16日 20:52
USCさん、こんばんは。いつもありがとうございます。

「福祉の現場の研修でも同じ」…わかるような気がします。休職していた頃、毎日施設職員さんと話していて思いました。「福祉の世界は閉じている」と。もっと外の世界を知ってほしいと思いました。その時の気持ちを書いた記事があります。よかったら読んでみてください。→『福祉の世界は閉じないで』 http://gami.at.webry.info/200703/article_15.html

「他の方の意見を全く否定しない」…確かにそうかもしれません。理由は二つあります。一つは「反発が怖いから」。ネットの世界は注意が必要ですので…。もう一つは「他の人がそういう意見であることを私は否定のしようがないから」。だって、その人はそう考えているわけですから。それを私がやめさせることはできません。「あなたはそう思うのですね」としか言いようがない。続けて「私はこう思いますけど」と言うことはできますが。お互いに「あなたはそう思っているんですね」と認め合ってから、「私は違うけど、そう言われると少し揺れるなあ」などと刺激し合っていく。それが多様性を認める姿勢と言えるのかもしれません。ま、ときどき「あなたは間違っている」と大声で言いたくなることもありますけど。(正直)

USCさんは、実に様々な世界を見ていろいろ感じて、それをご自身の仕事に生かそうとしていらっしゃいます。これからも、刺激を与えあっていきましょうね。よろしくお願いします。

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