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<<   作成日時 : 2010/12/14 23:19   >>

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「言葉がなくても、意思や感情はあるんです」
「言葉がないからといって、意思や感情がないと思わないでください。」
先日の研修で聞いた言葉です。

その研修は「心のバリアフリー」をテーマにした啓発研修です。
研修については、こちらの記事をご参照ください。
 → Bit研修「人は人のなかで癒される」(上)

研修のプログラムの中に、私たちが「おせんべ」と呼んでいるコーナーがあります。
受講者がペアになり、障害のある人役と介助する人役になって、おせんべを食べるのを介助してみるというものです。
おせんべを食べたいか、どのように食べたいか、どうしてほしいかなど、相手の意思を確認しながら介助します。
「介助の基本は、相手の意思を確認すること」「コミュニケーションが最も重要」ということを、体験を通じて理解してもらうことが目的です。
「おせんべ」については、こちらをご参照ください。
 → Bitの研修「だれもが暮らしやすい社会とは」

事前にスタッフで打ち合わせたとき、障害のの内容をどう設定するかで、意見が分かれました。
昨年は「手が不自由だが言葉のコミュニケーションは可能」という設定で行いました。
初心者には取り組みやすいし、伝えるポイントが絞れるからです。
今回も、この設定でやろうという意見が大勢でした。

しかし、一人だけ強く反対するスタッフがいました。
その人は「言葉もないと設定すべきだ」と主張しました。
その理由は次の通りです。
・言葉で意思確認する実習だと、言葉でコミュニケーションをとることに注目してしまう。
・すると、言葉がない人は意思や感情がないと思われてしまう。
・言葉はなくても、意思や感情はある。言葉以外でも、それを確認する方法はある。
・それを受講者にわかってほしい。

スタッフ全員、この話はよく理解できました。
私は、このスタッフが昨年も「言葉もない設定」を望んでいたことを思い出しました。
そこで私たちは相談の結果、次のように実習を行うことにしました。
・実習の目的である「意思確認とコミュニケーションの重要性を伝える」を果たすため、設定は「手が不自由だが、言葉のコミュニケーションは可能」とする。
・「言葉はなくても意思や感情はある」ことはとても大切なことなので、スタッフが実習の直後に受講者に説明する。

<メニューを相談(写真は視覚障害者のガイドヘルプ)>
画像


さて、「おせんべ」の実習終了後、先ほどのスタッフは次のように話しました。
(GAMIがメモと記憶から記事にしていますので、表現の一部は実際の話と違うかもしれません。ご容赦ください。)

今、皆さんは相手の気持ちを確認するのに言葉を使っていましたね。
でも、もし相手が言葉のコミュニケーションが苦手な人だったらどうでしょうか。
相手の気持ちを知るのは不可能でしょうか。

私の息子は言葉がありません。
でも、話しかけられることはだいたいわかるようです。
自分の気持ちも、言葉以外で伝えようとします。
しかし、言葉がないということで、コミュニケーションを諦められてしまうことがあります。

ヘルパーさんと出掛けたとき、「今日は水分を取ってくれませんでした」と言われたことがあります。
よく聞いてみると、水分補給は大切だと思ったヘルパーさんは、吸収しやすいスポーツ飲料を飲ませようとしたが飲んでくれなかった、とのことでした。
息子はスポーツ飲料は好きではありません。
「それで飲まなかったのではないか」と伝えると、ヘルパーさんは「では何が好きなのですか?」と私に尋ねます。
「りんごジュースは好きですね」と答えると、ヘルパーさんは次回それを与えますが、今度も飲みません。
その日は違うものを飲みたかったのかもしれません。
誰でも飲みたいものは、日によって違いますよね。

どうして親に好きなものを聞いて、本人に直接聞いてくれないのでしょうか。
例えば、コンビニに行って本人の前に飲み物をたくさん置いてみればいいのです。
飲みたいものを触るなど、何らかの方法で意思を示すかもしれません。

食べ物も、好物を親に聞いて勝手に注文しても食べません。
和食・中華・洋食、お店を何軒か回って反応を見ればいいのです。
入りたいお店の前で、笑顔になったり大きく身体を動かしたりすると思います。
店が決まったら、サンプルやメニューを見せてなにが食べたいか訪ねて本人の様子をよく見ます。
息子は沖縄料理が好きなのですが、「ゴーヤなんて苦いものは嫌いに違いない」なんて勝手に決めつけないでください。

言葉がなくても、意思や感情はあるんです。
言葉がないからといって、意思や感情がないと思わないでください。
言葉がないということで、コミュニケーションを諦めないでください。
いろいろ工夫して、本人の気持ちに少しでも近いサポートをするように心がけてください。


受講者の皆さんは、じっと耳を傾けていました。
感想やアンケートには、次のような言葉がありました。

・言葉が不自由であっても本人の意思はある。コミュニケーションを図り、相手の意思を尊重することが必要だとわかった。


スタッフの思いは、伝わったようです。

<関連記事> テーマ「啓発・伝える活動」

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは^^
今回も興味深い記事をありがとうございます。
でも、レスをつけるのは難しい感じがありますね。でも書ける書きたいことを書きます。

 接する方はどこまでしたら答えが出るか解らないから、止まってしまうし、どこまでしていいかも分からないから戸惑ってしまう。
自分の立場を知り、求められることを知らないといけませんね。
誰が教えてくれるのか・・・自分から答えを探しに行かなくっちゃね。

 でも、とっても難しいですね、どんなおもちゃで遊びたいか目の前に並べることができても、何が食べたいのかは分かりません。誰と遊びたいのか、友達を10人連れてきても、暑いのか寒いのかは判りません。

 長ーく、そして適度に深ーく、関心を持って…かな。
 
INA
2010/12/15 02:59
INAさん、こんばんは。
確かに、言葉のない方とのコミュニケーションは、最初は戸惑うでしょうね。理屈はわかっても、どうしたらよいかわからない。でも、「気持ちが通じた」という経験を重ねると、自信もついてくるように思います。そう、「自分から答えを探しに行く」姿勢が大切ですね。

本人の意思を100%理解するのは難しいかもしれません。でも、少しでもわかろうとする気持ちが大切。最初から諦めないでほしい。このスタッフの方が言いたかったのは、そういうことなのだろうと私は思いました。
GAMI
2010/12/16 21:21
一言で言うと「思いやり」ですね。
障碍者だからでなく、相手がだれであっても。

INA
2010/12/16 22:55
INAさん、おっしゃる通りです。相手の気持ちをわかろうとする。ごく普通のことですね。
GAMI
2010/12/17 20:43

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